EMCを学ぶ

EMC・低電圧・R"TTE指令の改定に関する検討情報

2014年3月29日にEMC指令2014/30/EU、低電圧指令2014/35/EUが発行されました。

変更点として下記内容を盛り込まれました。その概要については、下記リンクにてそれぞれご覧いただけます。

概要

EUにおける新しい法的枠組み:NLF(New Legislative Framework)に伴い、EMC指令、低電圧指令、R&TTE指令の改定案が欧州議会で審議されています。

EMC指令と低電圧指令の主な変更点

製造業者、承認代理人、輸入業者、販売業者のそれぞれの責任を明確化し、特に輸入業者や販売業者の責任を強化していること、その他NLFに基づく変更も含まれています。

R&TTE指令の主な変更点

NLFに基づく変更に加え、今までの運用上の問題点などを改善するための改定で、全面的な見直しが行われています。大きな変更は、対象が無線通信機器に絞られたことで、電気通信端末機器(fixed-line terminal equipment)は指令の対象から削除されています。これは、電気通信端末機器が低電圧指令(2006/95/EC)やEMC指令(2004/108/EC)によって安全とEMCがカバーされ、インターフェース技術詳細仕様の公開が委員会指令(2008/63/EC)によって義務化されていることで、問題ないと判断されているということです。

参考情報

EMC指令の改定案(EMCに関する法律を近似化させる指令)
Brussels, 21.11.2011、COM(2011) 765 final、2011/0351 (COD)

低電圧指令の改定案(特定の上限電圧で設計された電気機器の市場投入を可能にする指令)
Brussels, 21.11.2011、COM(2011) 773 final、2011/0357 (COD)

R&TTE指令の改定案 (無線機器の市場投入を可能にする指令)
Brussels, 17.10.2012、COM(2012) 584 final、2012/0283 (COD)

NLFについて

NLFは、EUにおける新しい法的枠組み(New Legislative Framework)です。製品安全に関するEU の法律の効果を強化し、内容の一貫性を高め、簡素化することを目的としています。その方法については、規則765/2008および決議768/2008で指示されています。

▼ 規則765/2008(製品のマーケティングに関する認定と市場監視の要求事項)の主な内容
REGULATION (EC) No 765/2008 (OJ EU L 218/307 13/08/2008)
  • 適合性評価機関の能力認定条件の明確化
  • 市場監視の適用範囲と監視項目を明確にし、EU域内製品や輸入品の監視を強化
  • EU域内の監査情報の共有化、対処方法の原則を規定
  • CEマーキングの役割と製造者の責任の明確化
▼決議768/2008(製品をマーケティングするための共通フレームワーク”common framework”)の 主な内容
Economic Operatorと言う製造業者、輸入業者、流通業者、販売業者などを総称した用語を定義し、それぞれの義務を明確化
DECISION No 768/2008/EC(OJ EU L218/82 13/08/2008) 
  • 市場監視当局が製品の供給元と供給先を識別できるトレーサビリティー確保
  • 適合性評価手続は、製品の特性に基づき評価モジュールから選択
  • 通知機関(NB)の要件を明確にし、規制当局への通知内容および方法の明確化
  • セーフガード手続の簡素化

Posted:2014/03